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 存在感強まる広西日本産業園  

    広西日本産業園の存在が日本に伝えられたのは2008 年3 月のこと。中国メディアにより「広西農墾集団有限会社と日本信友国際株式会社が広西チワン族自治区南寧市で『広西日本産業園プロジェクト協力覚書』に署名した」と報道され、日本の一部のメディアでも紹介されたためだ。その後、広西日本産業園は、計画通り工事に着工。現在も急ピッチで開発が進んでおり、投資先としての存在感を徐々に強めてきている。
 広西日本産業園はその名の通り、日本企業向け産業園のこと。広西チワン族自治区南寧市に築かれた7 カ所の工業園区の1 つ「明陽工業園区」内にある。市中心部からは約20km、南寧国際空港からは約6km ほどの距離だ。総計画面積は10 平方km に上り、開発・建設工事は3 期に分けて進められている(現在進められている第1 期工事の計画面積は1 平方km)。完成すれば、機械電気、電子電器、通信・電信、繊維・衣料、オフィス設備・消耗品、生活用品などの伝統的製造業や組立加工産業、省エネ・環境保護・循環型経済の関連産業、栄養・健康産業、自動車組立産業などを中心とした特色ある産業園が誕生することになる。
 広西日本産業園を語る上で欠かせないのが、広西日本産業園のある南寧市の地理的優位性とアセアン諸国との経済協力関係であろう。南寧市は中国南西部経済圏、アセアン10 カ国経済圏、汎珠江デルタ経済圏が重なった地域に位置するとともに、北部湾経済区の重要拠点となっている。


 また、南寧市はアセアン諸国と陸海空の立体的な交通ネットワークを築いており、アセアン諸国向け輸出基地として機能しているだけでなく、毎年催される「中国―アセアン博覧会」の開
催地にも選ばれている。
 それだけ他の中国各都市と比べてアセアン諸国とのつながりが強い証拠だが、それは南寧市を視察で訪れる日系企業の多くが、将来的な日本―中国―アセアン諸国との経済戦略を視野に入れていることからも理解できるだろう。
 話を広西日本産業園に戻すが、同産業園を視察して驚いたのは、何よりも水資源・植鉱産資源・植物資源が豊富なことだ。特に水質は汚染が少なく良好で、産業園内の湖や川のほとりでは若者たちが思い思いに遊ぶ姿が見られた。また、農業地を開拓した産業園であるため、ところどころでバナナやサトウキビ、トウモロコシなどといった農作物が育てられており、広東省の工業園区とは一味違った雰囲気を醸し出している。行き交う人々もそんな環境に影響されてか、のんびり暮らしているのが手に取るように伝わってきた。こうした風景も開発とともに徐々に様変わりしていくに違いないが、同産業園の根底に流れる「自然との融和」は、環境保護が重視される時代において、貴重なモデルケースとなるに違いない。
 計画によると、広西日本産業園はこれからライトレールや鉄道や空港物流などの施設を完備させる予定だ。視察に訪れた日系企業も三井物産や三菱商事、伊藤忠、富士通など、かなりの数に上っており、今後は30 社を目標に日系企業の誘致に力を入れていくという。同産業園の優遇政策、そしてアセアン諸国との強力なパイプがどこまで日系企業の心を掴むことができるか、これからしばらく注目してみることにしよう。 (取材・文/ 飯塚竜二)




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